台湾はほとんど九州くらいの大きさの島国ですが、実は3,000m級の山が200座以上あります。平地は亜熱帯気候で蒸し暑く、山岳地帯は寒冷であり、突然の豪雨や強風に耐えられるギアが求められるようなフィールドです。しかし、都市と自然の距離は近く、登山や沢登り、トレイルランニングが盛ん。身近でありながら厳しい自然環境。Hanchorはそんなフィールドの中で生まれました。

Hanchorってどんなメーカー?名前の由来は?
Hanchorは2012年に台湾で正式に設立されたアウトドアブランドです。ブランド名は「HAND(手)」+「ANCHOR(支点)」を組み合わせた造語で、クライマーが岩をつかむ瞬間をイメージ。ロゴにも、白いチョークをまとった手で岩を握るデザインが採用されています。
2021年には台湾のアウトドア市場調査で、最も購入されているアルパインギアブランドの第3位にランクイン。2023年には、台湾の代表的なトレイルランニングの大会であるFormosatrailのスポンサーとして、Beast Runnerとバックパックを共同開発しています。


Hanchor誕生秘話、修行の日々。
謝章天(シエ・ジャンティエン) はもともと台湾のボルダリング大会で準優勝するほどのクライマーでしたが、登山や沢登りなどのアウトドア活動全般に情熱を注いでいました。
アウトドアが好きすぎて、ギアの知識を深めるためにアウトドア用品店でアルバイトを開始。しかし、ただ「売る」だけでは物足りず、次第に「理想のギアを自分で作りたい」と思うようになります。
中でも彼がこだわったのは「バックパック」。彼にとってバックパックは「装備の母」であり、登山でも旅行でも、すべての生活必需品を背負う大切なアイテムでした。その結果、30〜50Lクラスのバックパックを50個以上コレクションするほどのギアマニアに。
自然な成り行きとして、市販のバックパックでは飽き足らず、自らバックパックを作り始めます。まず、布工場で働き、素材やパターン作りを学習。素材から見て学ぶ。そして、海外のDIYの技術を研究し、自宅のミシンで試作を繰り返します。しかし、なかなか納得のいくものができない。
そしてついに、フィリピンの独立系の工房へ弟子入りし、2ヶ月間住み込みで修行。バックパックの縫製やパターン技術を修得しました。
帰国後はさらに1〜2年かけて試作と改良を重ね、ようやく満足のいくバックパックが完成。2012年、Hanchorを正式に設立しました。

Hanchorのこだわりと技術
軽量でありながら高機能
Hanchorは、軽量性と機能性を兼ね備えたバックパックを追求しています。軽量ながらも通気性を確保する「二重フレームシステム」を開発。


このシステムは、2本のアルミフレームを背面に配置することで、軽量でありながら荷重の分散と通気性を確保できる設計。さらに、フレームは取り外し可能で、状況に応じて軽量化やフィット感の調整ができるのが特徴です。
2015年には、世界的なバックパックのコミュニティであるCarryologyのベストアクセサリー賞を受賞し、そのデザインと機能性が高く評価されました。
自社工房とパートナー工場による生産体制
Hanchorのバックパックは、ほぼすべて台湾で生産されています。少量生産向けの自社工房と、大量生産向けのパートナー工場を組み合わせた生産体制を取っており、品質管理を徹底しています。
フィールドテストに基づく製品開発

Hanchorの製品は、台湾の過酷な自然環境での経験をもとに設計・改良されています。創業者自らが登山やトレッキングを行い、使用感を確かめながら改善を重ねるスタイルを貫いています。例えば、Brecciaトラベルバックパックは、ニュージーランドで実際に持ち出して使用し、容量やポケット配置などの細部を調整して完成させました。
まとめ
Hanchorは、台湾の自然環境の中で生まれ、実践的なアウトドア経験をもとに開発されるギアブランド。創業者の情熱と探求心が詰まった製品は、登山・トレイルラン・トラベルなど幅広いシーンで活躍します。ぜひチェックしてみてください!🔥
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